新規事業・成長投資
中小企業の新規事業の進め方|90日で顧客検証し、無料で営業・マーケティング費用を確保する方法
中小企業が新規事業を90日で検証する進め方と、AI研修・公的助成・民間支援等を分けて初期の営業・マーケティング投資余力を確認する方法を解説します。

01
新規事業が構想で止まる3つの理由
新規事業が止まる原因は、アイデア不足より、誰のどの課題を解くか、誰が検証するか、いつ何をもって継続判断するかが決まっていないことです。既存事業の合間に進めると、緊急度の高い仕事へ押し戻されます。
最初から事業計画書を完成させる必要はありません。必要なのは、顧客課題、提供価値、価格、届け方の四つを仮説として置き、90日で事実を集めることです。
02
テーマは自社資産と顧客課題の交点から選ぶ
既存顧客が繰り返し相談する課題、自社に蓄積した技術・データ・販売網、競合が十分に解けていない不便を並べ、交点があるテーマを一つ選びます。市場規模だけで選ぶと、自社が勝てる理由がありません。
候補ごとに、最初の顧客10社へ話を聞けるか、既存資産を使えるか、90日以内に有償提案できるかを判定します。三条件を満たさないテーマは、検証費用が膨らむ前に保留します。
90日で「売れる根拠」を集める4段階
資料作りから始めず、顧客の事実を集める順番で進めます。
候補10社へ聞き、放置損失と決裁者を特定
提供内容・成果物・期間を一つに絞る
見積を提示し、支払意思と導入条件を確認
商談化率・粗利・工数で継続か停止を決定
90日後に残すものは、完成品ではなく「誰が、なぜ、いくらで買うか」の証拠です。
03
0〜30日|顧客仮説を10社で確かめる
対象顧客、困りごと、現在の代替手段、放置損失を仮説にして、候補顧客へヒアリングします。商品説明から入らず、いつ問題が起き、誰が困り、現在いくら・何時間かけているかを確認します。
AIは公開情報の整理、質問案、議事メモ、課題分類の下書きに使えます。ただし事実の確定、顧客情報の取扱い、投資判断は人が行います。
04
31〜60日|最小商品と価格を検証する
ヒアリングで繰り返し出た課題に対し、機能を増やす前に最小の提供内容、価格、成果物、期間を決めます。無料アンケートだけでなく、見積提示や有償PoCの反応まで確認します。
反応が弱い場合は広告量を増やす前に、対象顧客、課題の強さ、提供価値、価格のどこがずれているかを見直します。
成長投資の原資は、制度ごとに分けて設計する
公的助成と民間支援、会社の自己資金を混同せず、入出金の時期まで確認します。
対象者・訓練内容・申請要件を確認
支給主体・対象経費・支給時期を確認
契約・手数料・返済義務の有無を確認
営業・マーケティングの使途と上限を決定
制度の適用可否を確認したうえで、新規事業の検証予算へ接続します。
05
61〜90日|営業を回し、継続・修正・停止を決める
提案数、商談化率、有償PoC数、粗利見込、実行工数を同じ表で追います。売上だけでなく、受注までの期間と既存事業への負荷を含めて投資判断します。
90日で有償反応がなければ、前提を変えずに追加投資しません。顧客課題か届け方を一つずつ変え、再検証するか停止します。
06
成長費用は4つの財布を分けて確認する
AI研修、公的助成、民間支援、第三者資金、自己資金は支給主体と条件が異なります。公的助成金が営業費や広告費へ直接使えるとは限りません。研修の対象経費と、会社全体で生まれる投資余力を分けます。
受講候補人数×20万円相当は、民間支援等を含む取扱スキーム全体の入口概算です。対象人数、雇用保険、訓練、申請時期、契約、手数料・利息等を確認した後に個別試算します。
FAQ
よくある質問
新規事業は何人で始めるべきですか?
最初は責任者一人と、営業・技術・財務の必要メンバーを兼務で置き、意思決定者を明確にします。人数より、毎週の検証時間と90日の判定基準が重要です。
助成制度で広告費を直接払えますか?
制度ごとに対象経費が異なり、直接充当できるとは限りません。公的助成の対象経費と、取扱スキーム全体で会社に生まれる投資余力を分けて確認します。